診療科目のご案内

消化器科・内視鏡検査

泌尿器科

消化器は口から入った食べ物を消化・吸収し、肛門から便を排泄します。
口、食道、胃、小腸、大腸、肛門を通りますが、消化器には消化液を作る膵臓や胆汁を分泌する胆嚢・肝臓も含まれます。
消化器の症状は嘔吐、下痢といったものが多いですが、すぐに治るものもあれば、重症になるものもあります。
症状が続くものであれば触診や糞便検査だけでなく、腹部レントゲン検査やエコー検査、血液検査が行われますが、消化管の内部に病変がある場合は内視鏡検査が行われることもあります。
消化器のどの部位が原因となっているのかを見極め、それに応じた治療をしていきます。
消化器の病気はとても多いのですが、代表的な病気には以下のものがあります。

胃腸炎

胃や腸に炎症がおこり、嘔吐や下痢といった症状が出ます。
ワンちゃんや猫ちゃんでは多い病気です。
軽症のものでは対症療法で良化してしまいますが、重症のものや長く続くものは検査をして他の病気と鑑別していくことが必要です。

異物誤飲

特にワンちゃんで多いのが異物誤飲です。
ボール、ビニール、プラスチックなど消化器を通過できないものを飲み込んでしまうことがあります。
これらは胃内で胃壁を刺激したり、腸で腸閉塞をおこしたりして症状を出します。
レントゲン検査は有用ですが、金属以外の異物は写らないことも多いため、確実に誤飲しているか分からない場合はレントゲン検査で異常がなかったからといって異物誤飲が否定されるわけではありません。
一度、異物誤飲をした子はまた繰り返してしまうケースが多いので、行動範囲に誤飲する可能性のあるものを置かないようにするのが一番です。
胃内異物で催吐処置をしても吐き出せないケースでは内視鏡が活躍します。

膵炎

膵臓に炎症がおこり、嘔吐、下痢といった症状が出ます。
膵臓は消化液を作っていますが、膵炎の状態では消化液が自分の膵臓の組織を破壊します。
血液検査を中心とした検査で診断していきます。

内視鏡検査

内視鏡検査は消化器の内部を見るのに適した検査です。
動物では麻酔が必ず必要になります。

内視鏡で検査できる場所

食道、胃、小腸上部、大腸

これらの消化管の内部を直接見ることで異物、炎症、腫瘍といった病変が発見されることがあります。
優れた検査ですが、動物の大きさが小さかったり、炎症などで消化管が狭くなっている場合は小腸上部に内視鏡が入らなかったり、小さすぎる場合は内視鏡自体が入れられないこともあります。
腫瘍が疑われる場合は生検鉗子という器具を使用して病理検査を行い、診断を進めていきます。

内視鏡治療について

内視鏡は検査だけでなく、治療にも用いられます。
異物誤飲して胃内に異物がある場合、異物の大きさや種類によっては内視鏡で取り出すことができます。
異物が大きい場合や鋭く、消化管を傷つける可能性のあるもの、あるいは腸にあるものは取り出すことができません。
内視鏡で取り出せないケースでは胃切開や腸切開の手術を考える必要があります。
内視鏡で取り出せれば胃切開や腸切開の手術に比べ、負担は少なくなります。